リポバッテリーの機内持ち込みルールが変更

7月8日から、旅客機でのモバイルバッテリーの機内持ち込みルールが変更されました。

機内に持ち込む際は収納棚に収納せず、手元などで保管しなければならなくなりました。

これは今年1月に韓国・金海空港で発生したエアプサン航空機炎上事故の原因がモバイルバッテリーからの発火である可能性が指摘されていることを受けた措置で、国交省が国内各航空会社に協力要請を行いました。

そもそも、現時点でモバイルバッテリーに使用されているリチウムイオンバッテリーは、容量にかかわらず機内預け入れができません。また、ある一定の容量(160Wh)を超えるものは飛行機に持ち込むことができず、容量が100Wh以上のものについては機内持ち込みが2個までに制限されています。また、個別にケースへいれるなどショート防止も義務づけられています。

とはいえ、ほとんどのモバイルバッテリーはそこまで容量が大きくないため、実はあまり個数制限に引っかかることはありません。バッテリー容量100Wh=27027mAh未満であれば個数関係なく機内持ち込みは可能なので、あまり意識している人は多くないのかもしれません。

問題は、ドローンのバッテリーです。

一応、現行のMavicシリーズを始めとしたDJIのコンシューマ機のバッテリーはすべて100Wh未満に設定されており、最新のMavic4Proでも95.3Whに抑えています。

一方で産業機のMatriceシリーズのバッテリーは基本的に飛行機での持ち運びは想定していなかったようです。M300(TB60)で274Wh、M350(TB65)で263Wh、最近登場したM400(TB100)では977Whとなっています。

ただし、M30(TB30)については131.6Whとギリギリ機内持ち込み可能。ただし2個1セットだけ持っていって仕事になるかと言うと悩ましいところ(1人2個ずつ何人かで持ち込めば話は別です)。

現行最新のMatrice4シリーズは99Whとギリギリを攻めています。飛行機持ち込みの優位性と飛行性能を両立させるための「100Whの壁」があるわけですね。

さて、今後は飛行機に搭乗すると座席で大量のインテリジェントバッテリーをかかえている人が見られるかもしれません。まず間違いなくドローン関係者だと思われますので、なるべく温かい目で見ていただければ幸いです。